移動者マーケティングは、特に移動シーンに特化したコンシューマー・インサイトやマーケティングを論じたもの。
ミステリーショッパー・マーケティングは、お客様目線で店を評価して改善指導するミステリーショッパー(覆面調査員)の手法を紹介。
前半100ページくらいはJRの我田引水さが目立つ珍妙な簡易ペルソナ・ケース説明、移動者の心理と行動を調査したデータの説明、移動者マーケティングの仮説となっている。
後半にはインタビューや手法の説明があり、特に移動シーンに特化したコンシューマー・インサイトの手法として参考にはなる。
- 移動という場面(シーン)の前後や途中で生じる気分・心理の変化やニーズには一定の傾向がある。
- 価値観や購買心理などサイコグラフィックなセグメンテーションよりも、場面(シーン)などTPOによるセグメンテーションの方が横断性があるため、マーケティングのターゲットを特定しやすい。
- 移動という場面(シーン)を分析してマーケティングすれば効果がある。
と主張。
「ショッパー・マーケティング」などを併読するとよいと思う。
お客様目線で店を評価して改善指導するミステリーショッパー(覆面調査員)の手法を紹介。
店舗に対する改善指導の内容自体はありきたりであり、参考にならなかったが、
お客様目線で店を評価して改善指導するミステリーショッパーのワークスタイルはよく分かった。
素人向けではあるが「店舗戦略診断表」「セブンマップ重点強化診断表」などは店舗の簡易診断に活用できるかもしれない。
売上方程式の読み方
売上=来店客数 × 買上率 × 購買点数 × 買上単価
といった式があるが、何をどう分解しても必ずお客様が存在する。
来店「客」数 × (お客様の)買上率 ×(お客様の)購買点数 ×(お客様の)買上単価
しかもお客様は変化している。
お客様の違いに気づかなければ「満足」はない
それぞれの層によって評価の視点は全く異なっている。
- 見込み客(お店に一度も来たこともない)
看板、他店との違い、ちらし
- 新規客(一度お店に来て利用した新規客)
内装
- 固定客(お店のファンでよく来店する固定客)
より細かい部分(あいさつされた)、愛用品が品切れ
まずはこの3種類に分け、さらに固定客を上級、中級に分けて対応すべき。
自店・自社の戦略診断
「店舗戦略診断表」があり、
こだわり戦略、エキサイティング戦略、還元戦略、プラン・ドゥ・シー戦略、オンリーユー戦略、ネットワーク戦略、タイム戦略、五感戦略
のどれかに行きつくようになっている。
自店・自社の重点ポイント診断
セブンマップ重点強化診断表があり、
顧客、運営力、社員、プロセス、環境、商品、数値
のレーダーチャートで分析できる。
動線データの分析によるアクセサリーショップの改善
改善前、改善過程(10日後)、POSデータとの連動による改善(30日後)の3つに分けて図解されている。