ビジネスモデルの実現(プロデュース)を行うときの一番の難敵は、
既存ビジネスに染まった身内のワークスタイルとのギャップです。
ウツにならないようにする対策は、外国人上司・部下との付き合い方と同じで、
コミュニケーション強化の手法として参考になります。
異なる文化(ワークスタイル)に適応するためのカルチュラル・スキルを
中心に解説している。
外国人が典型だが、ワークスタイルがまったく違う職種の人たちと付き合う
ようなときにも考え方は使える。
第2章 文化とカルチュラル・コンピンテンス
カルチュラル・スキルの4つのツールを紹介。
- カルチュラル・デュー・ディリジェンス
文化の違いや類似性を評価し、それに備えること。 - スタイル・スイッチング
目標を達成するために、自分のスタイルとは異なったアプローチを使うこと。 - カルチュラル・ダイアログ
文化の違いを探求し、会話を通して相互に理解できるよう取り決めること。 - カルチュラル・メンタリング
自分の文化に対する知識を活用し、他者の文化に対する適応力を向上させること。
第4章 カルチュラル・オリエンテーションズ・モデルの紹介 -文化的指向性とは
文化的指向性を自己意識、思考スタイル、相互関係スタイルの3分野に
大別し、合計17の尺度を紹介・解説している。
- 自己意識:6つのスケールと12の指向性を紹介。
民族性の説明などでも使われる、わりあい理解しやすい指向性が
紹介されている。
例:個人主義⇔集団主義、序列主義⇔平等主義など - 思考スタイル:5つのスケールと10の指向性を紹介。
単語だけでは理解しにくい指向性が紹介されている。
解説を読めばなるほどと思える。
例:リニア思考⇔体系的など - 相互関係スタイル:6つのスケールと12の指向性を紹介。
これも単語だけでは理解しにくいが、解説を読めばなるほどと思える。
例:事実重視⇔表現重視など
第6章 カルチュラル・デュー・ディリジェンス
自分と相手の文化的指向性をチェックし、相手と効率よく協働するための戦略と
方法を検討できるチェックシートがある。
第7章 スタイル・スイッチング
自分の中の抵抗感をなだめつつ、相手の文化とうまく折り合いがつくワーク
スタイルに切り替えていく手法を解説。
付録
文化的指向性の定義(第4章に解説がある)を簡潔な一覧にしたものがある。
本書では、戦略と方法の「答え」の種明かしはされていないので、
自分で考えるか、ベルリッツのサービスを受ける必要がある。