顧客との関係(CR)を高める手法として活用されているゲーミフィケーションについて、まとまっています。
理解すべき17のゲーミフィケーション関連技術、7つの導入ステップ、ビジネスへの取り入れ方を解説。
ゲーミフィケーション関連の技術キーワードを顧客視点でまず分類し、上位の概念から順に説明している点が分かりやすい。
プロローグ
多くのサービス・モノがすでに供給過多、性能過多になっているので、
- 共感
- 遊び心
- 物語(ストーリー)
からなる「ワクワク感」「期待感」を演出することが重要であることを説明し、それぞれ1ページ程度で概説。
第1章 生活に必要ないものを買わせる「ゲーム戦略」
ゲーム戦略は、ゲーミフケーションとゲームビジネスメソッドの2つからなり、両方が揃うと効果が出る旨を説明。以降それぞれ別章で説明を展開している。
まずゲーミフケーションの17の技術を5種類に大別し、分類ごとに説明している。
- モチベーションを高める(5つ)
- 人とのつながりでモチベーションを高める(5つ)
- 愛着心を高める(5つ)
- 楽しくする・わかりやすくする(5つ)
- 忠誠心を抱かせる(5つ)
* 一部の技術は分類のダブリがある。
第3章 ゲーミフィケーションを理解するための17の技術
即時フィードバック、レベルアップ、レベルデザイン、不足感、シークレット、スコアとランキング、バッジと実績等々、17の手法について解説している。
ゲーミフィケーションで登場する大体のキーワードはカバーされている。
第4章 ゲームビジネスメソッドを導入するための7つのステップ
ゲーム業界のマーケティング戦略について解説している。
他の業界への特に適用事例は無いので説得力に欠けるが、考えるうえでの触媒にはなるだろう。
以下は事例中心の別書です。
米国大統領選挙でゲーミフィケーションを応用して大成功したMyBarackObama.comの事例説明をはじめとして、必ずしもICTサービスには限定せず、多くのゲーミフィケーション事例が紹介されている。
面白かった読み物としては
・スターバックスのアイデアコンペで優勝した「カルマ・カップ」
・スカベンジャー(ゲーミフィケーション有り)とフォースクエア(無し)の違い
・「スーパーマリオブラザース」に仕組まれた「レベルデザイン」手法
読後も役に立つリファレンスとしては
・「分野ごとのゲーミフィケーション事例」をまとめた一覧表