スマートフォンアプリ自体は無料配布したいが、利用に対して課金(マネタイズ)はしたい。手軽な方法としてはAPIの利用があります。
iPhone、Android、Amazonのアプリケーション・マーケットプレースで用意されているアプリケーション内課金の方式の説明と、実装に役立つ豊富なサンプルコードがある。
広告表示やアフィリエイトではなく、アプリケーション内課金APIに特化している点が本書の特徴。
冒頭では、Apple App Store (iPhone)、Google Play (Android)のアプリケーション・マーケットプレースの特徴が簡単に説明される。
次に、両マーケットプレースで共通しているアプリ内課金のパターン(4種類)と、それぞれの特徴が説明される。ここまでが、実装に先立つ概説の部分となっている。
以降の各章では、それぞれのマーケットプレースごと、課金のパターンごとに、特化した部分の説明、具体的な実装・サンプルコードの解説が順次なされていく。
なお書名からはわからないが、Amazon (Kindle) の課金についても一部情報がある。
第1章 アプリ内課金の概要
Apple App Store、Google Playの現状の機能、運用ルールなどを簡単に解説。
第2章 アプリ内課金の成功モデルと3大課金モデル
アプリは無料配布するがアプリ内で課金するフリーミアム型課金モデルの優位性を解説。
またApple App Store、Google Playに共通している課金モデル(パターン)を解説。
第3章 iPhone アプリ内課金(In-App Purchase】の概要
第2章でパターン化した課金モデルがiPhoneの場合には具体的にどのような方式、実装になるかを具体的に解説。
第4章 Android アプリ内課金の概要
同様にAndroidの場合を解説。
Androidに特化した別書。
AndroidアプリケーションでもiPhoneアプリ以上に収益をあげられることを色々力説している。
審査基準が厳しいiPhoneと違って、短期間でアプリを公開できるとか、エロ系のアプリでも公開できるとか、Androidのアプリケーション・マーケットプレースの自由さ(野放しっぷり?)を活かしたやり方をいくつか紹介している。
方法については、無料のお試し版と有料版をつくるとか、有料で公開して時々キャンペーン価格に値下げして釣るとか、同時かつ一気呵成に宣伝・広報して一瞬でも10位以内に入ろうとか、広告表示・アフィリエイトを入れ込んでおくとか、わかりやすいアイコンにしておくとか、別段Androidであろうとなかろうと別に一緒なんでは?と思うような説明も多く、実装サンプル等も別に無いので直接に開発の役には立たないが、iPhoneとは異なる特性のAndroidの市場に対してどういうアプリを企画すべきか、どういうスピード感でやるべきかといった点については参考になる部分があった。
なお本書では、アプリケーション内課金については否定的な見解。