エンパシーマップ
とくに難しい指導の手間を要しない図解手法としてオススメなのは、エンパシーマップ/エンパシーカード(Empathy Map / Empathy Card)です。
顧客が何を見、何を聞き、何を考え&感じ、何を語り&行っているかを一枚の絵に描きだします。
作成単位
分析対象が顧客セグメント(CS)や顧客との関係(CR)の場合、顧客セグメント(CS)ごとに作ります。
パートナー(KP)やチャネル(CH)が商品/サービスや報酬体系についてどう思うかを分析するのにも使えます。
作成方法
図法についてはgoogle の画像検索で「Empathy Map」とでも入力して検索してみてください。絵的に良い感じなのは以下のようなものです。
出典:Zhou Jiahui, IKEA Business Model Analysis in Bēhance
- 真ん中に、横向きの人間の顔を描く。これが顧客のつもり。
- ヘッダーに分析対象となる顧客セグメント(CS)の名称を書く。
顧客セグメントがあいまいな場合(ひどい例:お客様)は、まず顧客セグメントを分解してから作ります。
分解すらできない場合、集めた人たちがそもそも不適切です。 - 「見る」「聞く」「感じる/考える」「語る/する」の4つに区分して、それぞれに客観的な事実を書きます。
実際の顧客訪問記録やインタビュー記録などの客観的事実を活用してください。
事実無しに参加者の空想や印象で書いても、たぶん無駄です(顧客視点が無い人たちの空想や印象ですから外れているに決まっている)。 - その下の方に「Pain」「Gain」の整理欄を設けることもある。
「感じる/考える」のうち製品/サービスの不購入に影響している強い費用感/抵抗感に該当するものをPainに移し、購入の決断に影響している価値提案(VP)の理解、顧客満足度(CR相当)のものをGainに移す。 - 横向きの人間の顔の中のスペースか周りに、顧客セグメント(CS)の写真を貼る。ペルソナシートを仮にでも作っているなら、それも周りに貼る。
ステレオタイプや思い込みを排除するのに役立ちます。
この手法は一目瞭然なので、それだけを論じた書籍はありませんが
ゲームストーミング ―会議、チーム、プロジェクトを成功へと導く87のゲーム
- 作者:Dave Gray,Sunni Brown,James Macanufo
- 発売日: 2011/08/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
に説明があったと思います。
ペルソナ
エンパシーマップは客観的事実の洗い出し/整理にすぎませんが、ペルソナはより深堀りしてデータの裏付けもとり、顧客の人物像を記述/定義します。
図法についてはgoogle の画像検索で「persona sheet」とでも入力してください。
作成単位
顧客セグメント(CS)を細分化して、男女別、年齢層別に記述するので、エンパシーマップよりは細かくなります。
作成方法
「ペルソナ」でGoogle検索すると、そういう名前のゲームが上位に出てくるので、より分けるのが面倒です。「ペルソナ」が題名に入った書籍は何冊かあるので、探して読むのが結局早いでしょう。
インタビュー能力、エピソード記述の能力などがあると質の良いものが書けるでしょう。いずれにしても顧客と直接対話することが必要ですが。
データ収集を金で解決したい場合には、オンラインパネルで質問するといったリサーチ手法もあります。
ロールプレイングゲームで自作NPCのキャラクター・シート(キャラ設定) を作るのと似ていますが、空想で作らずに客観的事実に基づいて作らないといけません。
データに基づかないペルソナは「仮想ペルソナ」、データの根拠があるものが「(真の)ペルソナ」とされます。
カスタマージャーニーマップ
顧客行動を絵にします。プライベートな行動はインタビューやエスノグラフィーでも分からないし、動的側面の分析なので、これはたぶん一番難しいでしょう。
しかし少なくとも仮説位はもっておかないと、間違いに気づくことすらもできないので、書くだけは書いたほうがいいですね。
図法については customer journey や customer experience とでも入力して検索してみてください。
手ごろな記事がありました。