価値提案(VP)と顧客との関係(KR)は、どちらも顧客セグメント(CS)に対して
何らかのメリットを提供しているため、「顧客にとって魅力的な何か」を
思いついた場合に、どちらに書くべきか分からなくなることがあります。
この2つの違いは明確に定義するのは難しいですが、
おおまかにはレベルの違いだと思えば考えやすいでしょう。
例えば、
- 価値提案(VP)は、それを提供すれば顧客から直接に対価(R$)が得られるレベル
- 顧客との関係(CR)は、それを提供すれば顧客は喜び、継続率・リピート率は
向上するが、それ自体で直接に対価(R$)は得られないレベル
としたり...
- 価値提案(VP)は、収益商品(利益率が高い本命商品)で提供する価値を書く。
- 顧客との関係(CR)は、集客商品(利益率が低い/マイナスの客寄せ商品)で
提供する価値を書く。
としたり...
- 価値提案(VP)は、主要リソース(KR)と主要活動(KA)を両方使うレベル
- 顧客との関係(CR)は、主要リソース(KR)と主要活動(KA)を両方使うまでも
ないレベル
などとすれば、他のメンバと合意しやすいでしょう。
類似のパターンとして、価値提案(VP)として一所懸命洗い出したものを
企画書に書いて経営層に説明したら、「それは価値提案(VP)ではない」と
一蹴されることがあります。
書いている間に自分のアイデアに酔ってしまい、顧客視点・ビジネス視点が
薄れると、顧客との関係(CR)程度にすぎないものを、価値提案(VP)と強弁する
ようになりがちです。
顧客が財布からお金を出そうと思うレベルの価値があるか。よく自問して
仕分けしましょう。