そういう、モデルなんです。

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第二次ポエニ戦争 ハンニバル / HANNIBAL ROME vs CARTHAGE <AH>

往年の名作「ハンニバル」を知人が米アマゾンで購入。
のべ3日間、ほとんど半徹を繰り返してひたすら対戦。満喫しました。

プレイヤー2名限定の全き対戦ゲームで、多分、昔Tacticsに和訳ルールか、プレイレポート(AAR)があったと思います。
遠い記憶によれば。

General誌などで追補やエラッタが出ており、有志がそれらをまとめた和訳ルールを公開していたので、それをタブレットPCで参照しつつプレイしました。

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プレイ時間は、しめて4時間弱くらいでしょうか。

  • 戦略カードを毎ターン交互にプレイするので、大体70回位、判断することになり、1回2分だとすると140分くらい。
  • 戦闘が発生すると5分くらいかかり、1ターンに2回くらいは発生するとしてプラス90分で230分くらい。

ハンニバル vs スキピオ

ハンニバル戦争 (中公文庫)

ハンニバル戦争 (中公文庫)

 

舞台は第二次ポエニ戦争ですので、

  • 一方がハンニバル率いるカルタゴ
  • 他方が無能だったり無能だったりたまに有能だったりする執政官たちが率いるローマ

となります。

全体は9ターンあり、ローマ頼みのスキピオは6ターンめに登場します。

  • 象を連れたハンニバルが猛然とアルプス越えして北イタリアに雪崩れ込み、
  • 群がるローマ軍をパオーンと蹴散らしつつ、散々イタリア全土を荒らし、
  • ローマに怒りと兵力が溜まったところでぇ、
  • ハンニバルと互角の能力をもつスキピオ登場。

イタリア、ヒスパニアのどちらかに出して、カルタゴの兵力と領地を削りつつ、あわよくばカルタゴを陥とすべく、アフリカ本土へ上陸も狙っていきます。

プレイ手順の概要

各ターンに手札として、戦略カードを各自7~9枚配られます。
序盤7枚ですが、終盤9枚という具合に漸増していきます。

  • 戦略カードには、イベントが書かれていますが、
    イベント発動の代わりに将軍を移動させたり、支配地域を増やすこともできます。
  • 戦闘を有利にするイベントもありますが、これを使った場合、
    そのターンに戦略カードを使う機会(自分の回)がその分減ることになるので、痛し痒しです。

ローマはターンごとの補充と、戦略カードで兵力はガンガン増えますが、将軍(執政官)で外れを引くとハンニバルとのガチ戦闘ではかなりズタボロにされるので、

  • 好き放題されない程度に牽制したり、
  • ハンニバルの居ないところで逆襲する

のが中盤までのお仕事になります。

とくに海は、ローマの天下であり概ね自由に移動できるのでうまく使って鬼ごっこ。局地的に優勢なところを作って戦うという、後年のイギリス的な手口を多用することになります。

対してカルタゴは、海で移動するたびに沈没判定を強いられますので、

  • ちょろちょろ補充を送るか、
  • ひたすら陸路を大軍で征く(大抵はハズドルバルが)

ことになります。

戦闘の概要 

カルタゴ戦争―265BC‐146BCポエニ戦争の軍隊 (オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)

カルタゴ戦争―265BC‐146BCポエニ戦争の軍隊 (オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)

 

戦闘は、戦力、将軍の能力、地域の情勢の影響を加算して、6種類ある戦闘カードを最大で20枚まで各自に配り、攻撃側と同じ種類のカードを防御側が出せなくなった時点で負け、という一風変わった方式です。

  • Probe            これで負けたときは損害軽減
  • Frontal Assault
  • Flank Left
  • Flank Right
  • Double Envelopment    これで負けると大損害のおまけつき

攻撃側がカードを選ぶので、攻撃側になることが何よりも重要ですが、将軍の能力が低いと、いつまでも防御側のままで攻撃側になれません。

配布された戦闘カードは偏っていることも多いので、ひたすら同じ種類の戦闘カードを出されると、何枚もっていようが、敗けることになります。

なのでローマにどれだけ兵力があっても、ハンニバルに野戦を仕掛けると将軍(執政官)がクズならばズタボロにされるリスクが常にあります。

攻め込む側が連れて行ける兵力は10が上限ですが、攻め込まれる側の兵力は無限(但し戦闘カードは20枚まで)なので、戦闘カード20枚になるように防衛用スタックを維持しつつ、余裕兵力で嫌がらせをします。

いろいろプレイした結果

序盤のローマは、執政官のクジ引き命。

能力3のファビウス、マルケルスを引かないと、ハンニバルとのガチ野戦は厳しい。

さわらぬハンニバルに祟りなし。

ハンニバルは、ローマが30戦力持っていても、居ないも同然にイタリアを闊歩します。いろんな方向に振り回しましょう。お互いに。

ハンニバルであっても、退路の無いところでは戦わない。

なまじ強いだけに、つい殴り込んだりしがちですが、ころっと負けて象を失ったりすれば、イタリア本土を自由に闊歩もできなくなるので、立ち直り困難です。

中立蛮族イラネ。

リグリアから侵攻ルート作ったら意外じゃね?と思って中立蛮族を攻めてみました。征服寸前にイベントで征服リセットされました。入った先のエトルリア。ローマの脇を通らないと南イタリアに行けない地図でした。中立蛮族は放置の方向で。

水に落ちた犬は打て。

戦力20以上になったら、車掛かりの力攻めでスタックを潰すのはアリです。戦力10の間はなるべく放置ですが、戦力8くらいなら仕掛けてみてもよいでしょう。方面軍を1つ削れば、クズ将軍の別働隊で嫌がらせができるようになります。

2018年に復活したキックスターター Kick Starter 版

クラウドファンディングで、新たに蘇った。

ハンニバルハミルカル   Hannibal & Hamilcar  という題名のとおり、第2次はもちろんのこと第1次ポエニ戦争のシナリオも含まれている。 

こちらが箱となります。大きさは同じくらい。

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通常戦闘の損害判定、包囲戦判定、カルタゴの海軍移動判定のダイス(サイコロ)は、それぞれ別々となった。わかりづらかったフェニキア数字のダイスは廃止された。

なお通常戦闘の損害判定で使うダイス(黒)は、陸軍のユニット数が5以上か、それ未満かによって使いわける。

剣、馬、マルのマークは、とどめを刺されたときの戦闘カードが何かによって、どれが損害とみなされるかが決まる。例えば Double Envelopement で敗北し、馬の目を出したら陸軍の規模にかかわらず全滅など。

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赤白ダイスは包囲戦の判定用で、ローマやカルタゴなど堅い都市と、そうでもない都市とで使うダイスが変わったりする。右端の灰色は、カルタゴの船移動の成否判定用。

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将軍のコマは、フィギュアを使うこともできる。まあ紙のほうで十分だが。

その他にも、

  • ルールブック統一とあいまいだったルールの明確化
  • ローマ将軍のくじ引き用の将軍カード
  • 追加の戦略カード

などなどプレイのしやすさを高める工夫や、追加要素が盛り込まれており、やり尽くした第2次ポエニ戦争のシナリオにおいてすらも、これまで以上に楽しめる。

プレイ風景 

moon.livedoor.biz

プレイガイド

YSGA@和訳アーカイブという神サイト

http://www2.gol.com/users/idioten/kodai/kodai_landlist.htm

ツール

VASSALのモジュールもあります。

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Module:Hannibal: Rome vs. Carthage - VASSAL