ついに組織能力までも定義するお役目になったビジネスアナリスト向け知識体系(BABOK)についての初学書。
第1章 BABOK誕生の背景
- ビジネスニーズを考えずに作った結果、システム機能の64%はほとんど使われていない(円グラフ)
- 要求の種類は4つある。ビジネス要求、ステークホルダー要求、ソリューション要求、移行要求
- 参考コラム:日本(共通フレーム2007 第2版)では一般的な「要件」という用語がBABOKのどの要求に相当するかを説明
- 他の知識体系(CMMI、SWEBOK等)では独立扱いでないが、BABOKでは独立に定義され重視されている知識エリア「引き出し」の概要
第2章 エンタプライズアナリシス
- 知識エリア「エンタプライズアナリシス」の概説
- ビジネスニーズからスタートして、ビジネスケース(稟議書に相当)に落とすまでの大まかな流れを解説
- 流れ:ビジネスニーズの定義、(組織の)能力ギャップのアセスメント、ソリューションアプローチの決定、ソリューションスコープの定義、ビジネスケースの定義
第5章 要求のマネジメントとコミュニケーション
- ビジネスニーズに根拠があること(トレーサビリティがあること)を常に確認して、利害関係が異なるステークホルダーたちからの要求をマネジメントする。
- そのような要求のマネジメントを支援する「要求管理システム」の概要
第6章 ソリューションのアセスメントと妥当性確認
- 文化、運用または技術、ステークホルダーの影響分析などが特徴的
- やると決めたはいいが、組織のほうが全然ついていけなかった...というシステム構築あるあるを防ぐように組織能力を提言するのも、ビジネスアナリスト(BA)の役割になったらしい...