コロナになって真価を発揮
自宅内での通信環境改善の手段としてはマイナーであり、あまり知られていないと思われる電力線(PLC)通信。面白半分で購入したが、それほど使わなかったのでお蔵入りにしていたが、コロナ下では一転、愛用品となった。
課題
Wimax2を自宅で利用しているが、自宅内で無線(Wifi)の電波が届かない、または弱い部屋があって困っている。
前提
ホームネットワーク(自宅内LAN)からインターネット(公衆WAN)への接続は、無線接続(Wimaxルーター経由)となっている。
例えば
のような Wimax 通信プロバイダと契約していて、例えば
のように無線(Wifi) で接続することでインターネットを利用している。
課題の背景
- Wimaxルーターは電波状態が最も良い(アンテナ4本)窓際に置くことが多い。
- この場合、置き場所から離れた部屋ではWimaxルーターに対して無線(Wifi)で接続ができない、または速度が遅くなる。
- 特に冬場・夏場は扉や襖を閉めるので、無線(Wifi)の電波が届きにくい。
対策
- 電力線通信(PLC)で有線LANを構築する
家庭内の全ての部屋に張り巡らされている電気の配線を、ホームネットワーク(自宅内LAN)の回線として活用する通信方式。コンセントはどの部屋にでも必ずあるので接続に不自由はなく、扉など遮蔽物の影響を受けない。

TP-Link WiFi 中継機 PLCアダプター TL-WPA4220 KIT 11n 300Mbps 無線LAN 有線LAN コンセント 2台 キット 総務省指定
- 出版社/メーカー: TP-LINK
- 発売日: 2017/12/14
- メディア: Personal Computers
- この商品を含むブログを見る
のようなPLCアダプターと、Wimaxルーターのクレードル(別売)を利用する。

UQコミュニケーションズ Speed Wi-Fi NEXT W05専用クレードル HWD36PUU
- 出版社/メーカー: UQコミュニケーションズ
- メディア: エレクトロニクス
- この商品を含むブログを見る
※クレードルは利用している Wimax ルーターの機種を調べ、対応しているものを購入すること(互換性がないので)
評価結果
実際に購入した。南側のリビング(親機、小さい方 TL-PA4010)と、北側の洋室(子機、大きい方 TL-WPA4220)間をPLC接続にしてみたら、問題なく繋がった。
- クレードルにWimaxルーターを載せる
- クレードルとPLCアダプターの親機をLANケーブルで接続する
- PLCアダプターの親機をコンセントに挿す
- PLCアダプターの子機をコンセントに挿し、親機とペアリングする
- PLCアダプターの子機に無線(Wifi)または有線LANで接続する
アダプタのLED表示について
どうなっていれば正しい状態なのか、マニュアルでは分かりにくかったため、親機と子機のペアリングには少し手間取った。(ペアリングのボタンを長押ししすぎて、ペアリングがリセットされたりして少々ハマった。)
正常に稼働している時のLED表示は、以下のとおり:
- 親機のLEDは3つとも緑に点灯
PLCアダプターはコンセントに直接差し込むものなので、電源LED(〇に縦棒のスイッチアイコン)が点灯しないという事態はさすがにおきないだろう。
電力線通信(家アイコン)のLEDが点灯していないときは、おそらくは子機とのペアリングに失敗しており、電力線通信が起動していない。同じコンセントまたはテーブルタップに親機と子機を隣り合わせで並べて、再度ペアリングからやり直すこと。
有線LAN(長方形を3つ線で繋げたアイコン)のLEDが点灯していないときは、親機からルーターへのネットワーク接続が確立していない。LANケーブルの差し込み具合や、ルーターの電源を確認すること。 - 子機のLEDは、電源LED、電力線通信の2つは緑に点灯している。残りの2つのLED(有線LAN、無線 Wifi)は、アダプタと利用者端末との間でネットワーク接続が確立していれば緑に点灯する。(有線LANを使っていないならば、有線LANのLEDは緑に点灯しなくて差し支えない)
ペアリングに成功した後、PLCアダプタを親機・子機ともに一旦コンセントから外して、また両方とも挿し直した場合のLED表示は、以下のとおり:
- 親機・子機ともに、通電しているコンセントに挿して数秒以内に、電源LED、電力線通信LEDの2つが緑色に点灯する。
- 上記2つのLEDより5~6秒くらい遅れて、子機の無線 WifiのLEDが緑色に点灯する。
- 子機だけをコンセントから外すと、10秒くらい遅れて、親機の電力線通信LEDも消灯する。さらにしばらく放置すると、電源LEDも消灯する。
- 親機からルーターへの有線LAN接続を切断すると、親機・子機のLEDは不可解な挙動をする。電力線通信LED、電源LEDすらも消灯することがある。
おそらくは省電力モードに入っているのだろう。 - 有線LANのLEDは、ネットワーク接続に成功していれば緑色に点灯する。
たんにLANケーブルだけ挿していても、ネットワーク接続が確立していなければ、点灯することはない。
レグザリンク・シェアには失敗
電力線通信には成功したものの、南側リビングの Regza C310X と、北側寝室(洋室)の Regza 32R1BDP をレグザリンク・シェアで接続することには失敗した。
出典:何れも、東芝映像ソリューション
東芝のレグザリンクのサイトで R1 がレグザリンク・シェアに対応と書いてあったので、Regza R1BDP も Regza R1 と同様の扱いだと思ったのだが、BDP はブルーレイディスクが付いている代わりにレグザリンク・シェア(DLNA 対応)はしていなかったというオチだった。
両方のマニュアルをダウンロードして、じっくり見比べてみると、R1BDP の準備編マニュアルのほうには、レグザリンク・シェアに関する説明が確かになかった orz
まあ10年位前のレグザ(時価5千円以下)なので、もし繋がったら奇跡レベルだが。
ということで、せっかく購入したPLCアダプタは、別の用途が必要になるまでお蔵入りとなった。数年前と違って、安かったからいいけど…
その他の対策案
- 自宅内ではWimaxルーターの無線(Wifi)を5GHz帯で利用する。
2,.4GHzよりは強力。Wimaxルーターの設定で切り替えることができる。
外に持ち出す場合は2.4GHzに戻すか、5GHz(屋内)にすること。 - 無線(Wifi)の中継機能を持つルーターを追加する
無線の電波を中継・増幅する。「中継機」という名前になっている機種を購入。バッファロー WEX-1166DHP2 無線LAN中継機 11ac/n/a/g/b 866+300Mbps
- 出版社/メーカー: BUFFALO
- メディア: エレクトロニクス
- この商品を含むブログを見る