子会社所属なのだが、本社側に名刺管理サービスが採用され、子会社も適用範囲になったらしいことに最近気づいた。
顧客情報を統合する建前の CRM が親会社と子会社別々に運用される
名刺管理以前の話として、本社も子会社も、数年前からクラウド型CRMを運用しており、そこに取引先のコンタクト情報を手入力するように、従業員に要求してきた。
子会社が本社の後追いで同じCRMを採用した経緯のようだが、別々に運用されていて、システムもデータも統合されていない。子会社がコンタクトする取引先は親会社と90%同じなのに、なぜ導入前に会話しなかったのか...
ITガバナンスはどこへ行った。
従業員はコンタクトを入力しない
自分は、紙の名刺なんぞはすぐに捨てたくてたまらない派の人間なので、
- 自宅のスキャナでPDFにしてクラウドストレージにでも保存
コロナであまり出社しないので複合機が使えない。名刺用スキャナがあるかどうかも分からない。 - CRMログイン時に、二重運用かつ手間であっても黙々と入力
CRMのログインが面倒くさいので、貯めといてまとめて入力
して名刺の方は捨てていたのだが、はっきりいって、CRMにコンタクトを全く入力しない従業員が多数派である。
自分が入力するついでに、他の従業員が獲得名刺を入力しているかどうかは、CRMの取引先単位の画面でコンタクトを一覧できるので、当然のことながら分かる。
何だよアイツら全然入力してないじゃねーか。と思うこと多数。
売上が数千億円単位の取引先なのにコンタクト3件とかって、普通ないよね…
役員も垂範率先しない。役員を含めて CRMを誰も使っていないことが、全社にくまなく共有される
最もコンタクトを持っているハズの役員が率先して登録する(秘書に登録をさせる)とか、そういうアクションも無い。
従業員には入力しろ入力しろと言っているが、自分はやらないということが、大手取引先のコンタクト登録データの傾向から、全てのCRM利用者(=幹部、従業員)の目に明らかな形で、白日の下に晒されている。
CRMにコンタクトが登録されていないということは、つまりはセールスやサポートのアクティビティをCRMには入力していないことを意味する。
まあ、CRM導入以前からコンタクトはできていて、すでに普段からメールやら携帯電話やら訪問やらでやりとりはできているので、わざわざデータ入力する動機はないのだろうが…
全社CRMで情報だけは全社共有されたことで、上から下まで、めいめい自己完結でセールスやサポートをやっているだけの組織文化だということがデータで分かった、ということが、まずは重要な成果でございます。
※予想を外した雨ごい師のポジティブ思考な言い訳
名刺管理を導入したが、CRMへコンタクト登録ができない
たぶんそういう傾向は分かった上で、CRMに加えて、手軽にデータ登録できるという触れ込みの名刺管理を導入するという運びになったのであろう。
しかしながら、
- 本社のCRMと名刺管理はデータ連携しているけど、子会社の方は別契約のため連携していないので、二重入力は解消されない
- 貯まった名刺を、自宅の家庭用フラットベッドスキャナでアップロードしたかったが、名刺管理サービスはフラットベッドスキャナに対応していない
- 名刺を郵送でまとめて送付すると代行登録してもらえる専用封筒と代行入力サービスがあるようだが、あまり出社しないので、封筒を入手したり発送したりできない。経費を、どのように精算するのかもよくわからない
- 名刺管理のスマホアプリで撮影してアップロードできるらしいのだが、スマホアプリと、セロトラスト環境・モバイルデバイス管理環境の相性が悪く、名刺管理サービスのログイン画面で無限ループしてログインすらもできない
以上のことから、せっかくの名刺管理は当面利用できないという結論となった。
スマホアプリをちゃんと開発できないのなら、PCサービスを強化して欲しい
スマホアプリは不具合が起きると、会社のIT部門でも、利用者サポートができない。
そして競争と変化の激しいゼロトラスト環境・MDM環境との相性があまりテストされていないままリリースされており、不安定でもある。
名刺を含んでいる単なる画像またはPDFをアップロードするようなダサい形でも構わないので、不具合が当面出ることのない、レガシー技術に依拠する安定版としてのPCサービスを用意して欲しい。