そういう、モデルなんです。

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Character Creator 4 標準の髪型は4~6種類だが、頭部撮影から自作すれば増やせそう

標準の髪型では足りないので調べてみたら、髪と髭が沢山含まれているものは別売のようだった。では標準の範囲では、どこまで髪型を調整できるのか。


www.youtube.com

髪 Hair 素材の分類について

CC4 Content Manager でブラウズすると、髪は以下のように分類されている。

  • 髪型 HairStyle
  • 髪群 HairGroup
    • 髭 Beard
    • 眉毛 Eyebrows
      • アニメ調 Stylized
    • 頭髪 Hair
      • アニメ調 Stylized
      • 汎用髪型 Universal Hairstyle
        私の購入時には髪型2種類がオマケでついていたが本来有償?
  • 髪の要素 HairElement
    • 髭 Beard
    • 頭髪 Hair
      • 装飾 Accessory

どのようなオブジェクトモデルなのかは公式サイトに図解がある。

www.reallusion.com

髪型 HairStyle は、他の髪群・髪の要素を組み合わせただけのもの

標準では3つ表示されている。

試しに人物モデルの頭部に適用してみると、毛髪の要素 HairElement が幾つかまとめてシーン Scene に配置される。つまり髪型 HairStyle それ自体は、髪型の品揃えを増やすものではなく、他の髪群・髪・髭などを単に組み合わせただけのものである。

それだからか、サムネイルに髪アイコンが含まれない。

髪群 HairGroup には、4~6種類の髪型が含まれる。

これらの髪型は、それぞれ別の名前がついており真水で髪型の種類といえる。

また汎用髪型 Universal Hairstyle には五分狩りとツイスト髪が含まれる。私の購入時にはこれらの髪型2種類がオマケでついていたので無償に思えるが本来有償かもしれない。

なお髪群には、頭髪群以外に髭群と眉毛群がある。

このうち髭群は4つ表示されているが、髭である髪の要素(後述)だけの組み合わせなので、髭の品揃えとはいえない。

眉毛群は、そもそも男女サンプル素体の顔面に組み込まれている2種類以外に、2種類が用意されている。サンプル素体も含めると眉毛の種類は4種類といえる。しかし眉を配置すると、素体の眉の上に無理やり被せられていて、よく見ると二重になっておりおかしいので、そもそも使い方を間違っているかもしれない。

髪の要素 HairElement を髪型の種類に数えていいかは疑問

頭髪の髪の要素は5種類あるが、髪型の種類としてはゼロ

表示されている4つは、髪群 Chic bun medium を部位ごとに分解したものである。

下位の分類である装飾 Accessary におさげ髪が4つ含まれるが、長さと飾りが違うだけなので、おさげ髪という1種類と数えるべきだろう。

髪 Hair - 髪の要素 HairElement - 頭髪 Hair の部位は5種類

この4つの部位のサンプルの中では、右の2つは北斗の拳とかに居たかもしれないが、単体で使用できるほど一般的ではないので髪型の種類としては算入しない。

もっとも髪の要素は、他の髪群と組み合わせることができるので、うまく使えば髪型の種類を増やすことができる。しかし自然とは言い難いものが多いので、今のところ種類には算入しない。いい組み合わせが作れたら考えるが。

五分刈り Afro Buzz Cut 髪群と、お団子 Bun 髪の要素の組み合わせ

髭 Beard の髪の要素 HairElement は6種類

8つ表示されるが、長さや密度の違いしかないので、元のオブジェクトモデルのとおり髭は6種類だと思った方が良いだろう。

髪 Hair - 髪の要素 HairElement - 髭 Beard の部位は6種類

標準の髪 hair で作成できる髪型はどこまでか

髭のことはしばし忘れて髪型だけ考えると、髪群として用意されている4~6種類が髪型の種類の数だといえよう。

これらの髪型をどこまでパラメータで調整できるか?

モーフスライダーがある髪群 HariGroup の髪は2種類だけ

CC4 標準の髪型(髪群)は真水で4~6種類しかないが、これらの髪型はモーフで調整できるのだろうか?

  1. 女性向け組み合わせ髪群 Chic bun medium は、調整できない
    これは前述のとおり4つの髪の要素の組み合わせだが、どれ1つとして、モーフ用のスライダーが無い。CC4 の画面上では長さすらも変更できない。
  2. 男性髪群 Short Blowback は、調整できない
  3. 左側への流し髪群 Side part wavy は、多少調整できる
    拡がり Fluffy、生え際 Hairline、左髪 L_Hair、長さ Length が調整できる。
    ベイク Bake すれば 100%を超えることはできるが、だんだん不自然にはなる
  4. 古典的な短髪 Classic Short も、多少調整できる
    生え際 Hairline、揉み上げ Sideburns、乱れ髪 Tousle が調整できる。
  5. 五分刈りアフロ Afro Buzz Cut Hair ※普段は別売
    生え際 Hairline、揉み上げ Sideburns が調整できる。
  6. ツイスト Twist Out Hair ※普段は別売
    生え際 Hairline、拡がり Hair_Close、長さ Hair_Short が調整できる。
    ベイク Bake すれば 0%を下回ることができるので、長さに -100 を入れてベイクし続けると髪の長さは伸びる

前髪をおろせる髪型が一つもないのは、ちょっと不便である。

別売の髪型の価格はいくらか

Reallution 公式のものは、仮に拡張ライセンスだとすると、髪型1つあたり8~51ドルのようだ。

  • TRENDY HAIRSTYLES FOR MEN は髪型の入り数5種類で255ドル
    標準ライセンスは3分の1だが拡張ライセンスに正規化するとこうなる。
    ゲーム製作者ではなく個人利用者であれば標準のままでよいが。
  • HAIR BUILDER は髪型の入り数20種類と髪の要素32個で149ドル
    これは拡張ライセンスに対応しているので単価が格別安い
  • PRIME HAIRSTYLESは髪型の入り数10種類と髪飾り6個その他で447ドル
    標準ライセンスは3分の1だが拡張ライセンスに正規化するとこうなる。

公式以外も価格帯はだいたい同じとなっている。

適当でよければ頭部撮影 Headshot プラグインで生成できる

CC4本体とセット購入した頭部撮影プラグイン Headhsot Plugin のチュートリアルを見ていたら、自動モード Auto の場合には、写真から髪型も自動生成されるらしい。

youtu.be

これまでプロモード Pro しか使っていなかったので自動 Auto で髪が生成されることには気づかなかった。試しに適当な写真を取り込んでみた。

モデルは伝統的 Traditional な髪として生成されるため低品質

黒髪だとモデルが見づらいので、色を修正 Adjust Color して輝度 Brightness を上げた。

何となく輪郭は出来ているが、デジタルヒューマン Digital Human シェーダーで描画するスマートヘア Smart Hair ではなく、伝統的 Traditional な髪部品の品質なので、

  • メッシュがカード型ではない
  • テクスチャも旧仕様、つまりカラーマップ Diffuse と透過マップ Opacity だけ
  • 髪の流れ、ストランドはあまり表現されていない

高品質な髪に変更するには移行する必要がありそう

伝統的な髪を最新のスマートヘアに移行する手順については、別のチュートリアルで解説されていた。

youtu.be

それによると、

  1. 伝統的な髪の透過マップ Opacity を下敷きにして、白地の上にグラデーションと髪の流れをかぶせた基底マップ root を作成する
  2. それぞれの髪束の中央部を暗くした idmap を作成する

といった作業をすれば移行できるとのことだった。

しかしこの手順はおそらく、過去のCC向けに、それなりの職人がちゃんとつくった髪モデルを移行する手順だと思われた。

頭部撮影で生成された髪は、メッシュ・テクスチャともに、その水準には達していないので、本格的に直すためには、CC4の髪の仕様をよく理解しておかないダメそうだ。

いちおう開発者向け Wiki に作成手順があるようだ。

Content Dev:CC 3.4 Hair Creation Process - Reallusion Wiki!

…全く分からん。

この頭部撮影された髪がカード型に変更しやすい出力結果なのかどうかすら分からないので、Blender に出力して鑑賞して改造してみようと思う。

カチカチカチ...

tombi-aburage.hatenablog.jp

必死に改造してみたが、元のメッシュとテクスチャの質が悪すぎて、ちょっと無理でした。少なくとも元の素材の質を底上げしないと話にならない。

ピンタレスト Pinterest にある映りの良い写真をひたすら頭部撮影で変換すると、そのうち使える髪型が生成された

どこの誰とも分からないが、髪型だけは所望の形状をしているような写真を見つけて来て、頭部撮影オートモードで髪型に変換した。

ぜんぜんスマートヘア Smart Hair ではないが、そのまま使っても違和感が無い程度のものは生成された。まあ、これでよかろう。

スマートヘアではないが、そこそこ使える品質の髪型が自動生成された

市場 Marketplace で無償の髪型は見つかるか?

購入直後に登録メアドに来ていたメールの中に、無料コンテンツへのリンクがいくつかあったが、市場 Marketplace の無料 Freebie コンテンツへのリンクもあった。

残念ながら当初のメールで例示されていた髪型は、当時無料だったかもしれないが現在は有料に戻っていた。

調べてみると26個あったが、投稿者は約3名だった。初期表示は新着順 Newest となっているが、評価 Rating や売上上位 Top Selling などでソートし直した方がいい。

この条件でのクエリ文字列を当てずっぽうで探した結果、以下と判明した。

https://marketplace.reallusion.com/character-creator/free?category=Hair&sort=Rating

Direct Access ポイント DA Point という Reallusion 内部通貨で購入する形となっているが、無料のものは残高ゼロでも購入できるので、試しに1つ購入してみた。

拡張子 .rlcontent を CC4 に関連付ける必要あり

購入すると Installcontent.rlcontent というファイルがダウンロードされるが、そのままでは使えなかった。

拡張子 .rlcontent を  Character Creator に関連付けて開けば、Content Manager に表示されるようになった。まあ、品質は微妙だったが...

市場 Marketplace で有償の髪型の相場は?

100 DA ポイントは1ドルで購入単位は 1,000 / 5,000 / 10,000 とのこと。

フォトリアル系で評価の高いものから表示するクエリ文字列は 

https://marketplace.reallusion.com/character-creator/hair?category=Realistic&sort=Rating

但し、この検索結果には無料も含まれる。

価格 Price の分布をみると 11ドル強 (1125 points) 前後が中央値。

但し商用ゲームなどで複数体に使い廻すなら拡張ライセンスなので表示価格(標準ライセンス)の3倍、34ドル強 (3375 points) が相場になる。

髪型の拡張ライセンスは業者に不評

2022年秋頃にライセンス体系が変更され、髪・衣服など CC Components*1 を商用ゲームなどの登場人物に使う場合には、拡張ライセンス Extended License が必要である。

https://www.reallusion.com/license/content.html#unlimited-characters

この拡張ライセンスは、標準の約3倍の価格に設定されており、この点がゲーム開発スタジオなどの専門業者に不評のようだ。

商用でない場合は標準ライセンスで構わないので、個人の利用者には関係ないが、商用なのであればたとえ投げ銭であれ、小遣い程度の支払いであれ、お金を貰うのなら拡張が必要という主張らしく、フォーラムでは何名かのインディーズゲーム開発者らしき方々が苦情を述べていた。

業者だけでなく個人に対しても実質3倍の値上げ

いちおう苦情は意識してはいるらしく、公式 Reallusion が ContentStrore に出品している髪型のうち、幾つかについては、標準ライセンスの価格で拡張にアップグレードと表示されている。

しかしよく見ると、2022年秋以降のコンテンツは、標準ライセンスの価格自体が2022年秋以前のコンテンツの3倍に設定されているので、別に特別提供価格 Special Offer でも何でもない。

業者だけなく、個人に対しても3倍に値上げしたに等しい結果となっている。

毛髪&髭、衣服、靴、手袋は自作するか、他所から調達した方がよさそう

自作は別途研究するとして… 他所から調達するとどうなるか。

例えば Daz のインタラクティブライセンスは、2022年秋以降の3倍値上げ済み CC4 価格と比較すると半額位である。

Daz ではインタラクティブライセンスの値引き後価格が表示価格(標準ライセンス)より安いことも多く、その場合には、3分の1位となっている。

つまり Reallution が3倍値上げを仕掛ける前の標準価格帯に近いといえる。

 

 

 

*1:人物モデル ccAvatars, プロジェクト全体 ccProjects, モーフスライダ ccSliders, 毛髪&髭 ccHair, 衣服 ccCloth, 靴 ccShoes, 手袋 ccGloves