- 紙の出版に対する電子出版の優位性(ロイヤリティ等)
ロイヤリティ:紙の出版10%、電子出版(最大)70%
発売後も内容修正できる、ページ単位でのアクセスビュー集計が可能など - 本の二次利用や転売できない仕組み
ただし米国ではレンタルサービス(1回のみ14日間)がある - ePub、mobi、HTML5、Folioなど電子出版フォーマットの差異
といった基礎知識のほかに、
- Adobe DPSなど高機能なツールの紹介
- iBooks Author、Sigilなど無償ツールの紹介
があり、「電子書籍」の販売については、8章全体を割いて解説している。
- 8-1 カバー画像の準備
- 8-4 価格設定
- 8-5 価格と内容
紙の書籍と同じ価格か、あるいは10%~20%オフ程度の価格
個人作家が「電子出版」で、作家デビューする場合は、おおむね読者が手に取りやすい(買いやすい)価格設定として、100円から250円程度
- 8-6 ロイヤリティに関して
通常35%で指定されており、(中略)これとは別に「70%プラン」も用意されており
- 8-8 DRMの設定
これらに関連して、
EINコード取得など税関連作業の解説もあって親切なAmazon KDPの解説書。
Amazon との契約内容を知る
- 希望小売価格の設定方法
- 印税率70%の「KDPセレクト」の条件
独占販売権、設定できる価格の範囲、差し引かれる配信コストなどを説明。
KDPで出版する準備をする
- LibreOfficeとエクステンション、Sigilなどを推奨。
本に必要な素材を用意する
- ページ内の画像は1枚127KBまで
- 表紙画像にはこだわろう
付録
なおオンライン出版する場合に理解しておくこ必要な著作権などの権利については
前半はオンライン出版のあるべき姿の(筆者)提言で、後半は著作権の解説というキメラな感じの変わった本。
- 前半は、Amazonなどのオンライン書店にいいように転がされてアイデンティティを失いかねない状況になっている出版社(出版者)の復権などを著作権と絡めて色々主張しているが、全体的に仮説提案のような雰囲気となっている。読み物としてはそこそこ面白く読める。
- 後半は、著作権についての解説になっており、前半部とあまり関係はない気はしたが分かり易いことは確か。個人的には後半のほうが勉強にはなった。
全部が著作権の逐条解説の本だったら多分、途中で飽きるが、題名と前半部がカプセル薬の糖衣のような働きをして後半が読みやすかったのかもしれない。
これと姉妹本で著作権についてさらに深堀した書籍。
職業「編集者」の実務視点で著作権を解説。他人の記事や写真を引用するブロガーにオススメ。
出版にまつわる著作権の扱い・処理について、編集の実務でよくあるシーンを例示して解説している。
例)どこまでが「引用」か、絵画や写真を撮影したものは著作物か
著作権や著作者人格権の解説だけでなく、出版契約の態様・印税の相場・新聞社から新聞記事を引用する手続きや使用料などの説明などもあって参考になった。
続いて、著作権についてあまり気にせずに自由なコンテンツ再利用を可能にする「クリエイティブ・コモンズ」を詳細に解説した書籍。
画像、動画、楽曲その他メディア・コンテンツに対して柔軟に利用条件を設定できる「Creative Commons」について、豊富な事例を交えて解説している。
著作権やオープンソース運動など歴史的経緯の説明や各CCライセンスの解説のほかに、CCを活用している様々なメディア・コンテンツ事業者(画像、動画、Wiki、楽曲、教育など)の事例が列挙・解説されている。
※なおソフトウェア(フリー、オープンソース)については、CCの管理対象ではないので他書をあたった方がよい。
フリーカルチャーのライセンス運動の一部(P105~P122、P132)
- 現行法で完全に保護される状態と全く保護されない状態の中間を定義できる6種類の基本ライセンス体系を説明
- CCライセンスを構成する4つの条件(表示:BY、非営利:NC、継承:SA、改変禁止:ND)の簡単な説明 ※SAとNDの誤植注意
- 各基本ライセンス(各1/2頁)およびパブリックドメイン(CC0、PDM)(各1頁)の解説
- CCライセンスの3層構造(リーガル・コード、一般人が読める層、機会が読める層)(各1頁)
- クリエイティブ・コモンズのメタデータを付与する手順
- デュアル・ライセンス、CC+(プラス)など非営利と営利を両立させる方式
CCライセンス・ケーススタディ集(事例集、全体の1/3程度)
CCを活用している様々なメディア・コンテンツ事業者(画像、動画、Wiki、楽曲、教育など)の事例を列挙・解説。実在する著名サイトのポリシー、取り組みがよくわかる。
フリーカルチャーの戦略の一部(P82~P86)
- オープンソースの定義10か条(参考)
などなど