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地方公共団体における道路予防保全の課題と解決手段の方向性

地方公共団体における道路、道路施設、橋梁の予防保全の課題と解決手段(技術型、市民参加型)の動向

根本的課題

地方公共団体には、以下の2つの根本的課題が存在① メンテナンスに関する最低限のルール・基準が確立していない

  • 法令に道路構造物の点検頻度や方法等の定めがない等
  • 地方公共団体においては、点検方法として技術的に問題のある点検基準を定めている例
  • 点検結果や修繕履歴等の記録・保存が徹底されず、計画的な維持修繕・更新となっていない。

② メンテナンスサイクルを回す仕組みがない

  • 地方公共団体は、厳しい財政、技術者がいない等の理由により、点検・診断・措置・記録のメンテナンスサイクルを回すことが困難。
  • また、点検業務や修繕・更新工事の発注(歩掛の設定、変更契約)、監督(成果品の確認)が困難であったり、技術的に高度な対応が必要とされる大規模な構造物等の修繕・更新を実施できない場合が想定。
 国土交通省が行った「自治体のインフラ点検体制などに関するアンケート調査」の結果を見てみると、市町村は職員による点検が38%、外注による点検が62%となっている。職員による点検38%のうち29%は事務職員による点検。地方公共団体、特に市町村のマンパワー不足を物語っている。 

出典:道路の予防保全における「人とICTの関係」|建通新聞社

道路の課題(道路施設を含む、以下同じ)の課題

舗装 120万km(内高速道路8千km) 生活道路等、点検未実施多い

一般道では目視点検すら行われない

腐食や変形を生じたガードレールや磨耗した路面表示などが全国各地で散見されており、道路を利用する自動車・歩行者・自転車等の安全・安心を確保するために維持管理を徹底するべき対象が依然として多く残されています(図2)。 

出典陸圏事業本部 道路部 山岸 洋明, i-Net Vol.33 JANUARY 2013, 道路の予防保全的維持管理の実現に向けた取り組み

 

道路施設については、メンテナンスに関する最低限のルール・基準もない。

道路橋(橋梁)の課題

全国の橋梁数は約70万橋。このうち、建設後50年を超えた橋梁(2m以上)の割合は、現在は18%であるが、10年後には43%、20年後には67%へと増加

日本の橋梁の70%を占める市町村が管理する橋梁では、通行止めや車両重量等の通行規制が約2,000 箇所に及び、その箇所数はこの5 年間で2倍と増加し続けている。

町の約5割、村の約7割で橋梁保全業務に携わっている土木技術者数が0人

橋梁においては(中略)予算や技術等の不足により、同様の定期点検が実施されていない市区町村が依然としてあります(全地方自治体の8%が未実施)。 

道路工事の課題

産業界からは、修繕工事は新設工事と比べて手間がかかり、人件費や機材のコストが割高になり、規模などの発注条件によっては利益が出にくい、また、設計と施工の実態が異なり、再設計や契約変更が必要になることが多いなどの指摘がある。

道路の定期点検(現状)

定期的なパトロールや路面・歩道の清掃、除草、剪定、除雪、舗装の打替えなどを中心として実施されています。

近年では、落下・倒壊事故の発生を受けて道路照明や道路標識を対象とした点検要領が策定され、予防保全的維持管理に向けた取り組みが始まっています。

出典: 陸圏事業本部 道路部 山岸 洋明, i-Net Vol.33 JANUARY 2013, 道路の予防保全的維持管理の実現に向けた取り組み

 

道路の定期点検(今後) 国による代行

地方公共団体の実施体制を勘案し、高度な技術力や機械力が必要なものについては国交省が代行できるようになった。 

道路の定期点検(今後) センシング/検査技術型

非破壊試験技術やモニタリング技術、新材料・工法等の新技術について、民間が開発した技術の試行・評価や、産学官による共同研究開発等を国が中心となって戦略的に取組む。

富士通が「道路パトロール支援サービス」を岐阜県内での実証を踏まえて開発

島田 当社が開発した道路パトロール支援サービスは、地方公共団体、維持管理の担い手となる地場事業者、そして弊社の3者が「三方良し」の関係になることを理念として開発したものだ。

 

 詳細調査や補修の対象,事故リスクの高いインフラを確実に効率的に絞り込むスクリーニング技術の研究開発と社会実装

 

 ①業務車両を用いた大規模路面評価、②橋梁の一括長期モニタリングと解析技術、③省電力無線センサネットワーク基盤技術、④ビッグデータ処理・可視化基盤技術 による道路管理指標算出、要対策橋梁抽出 

道路施設(防護柵)の定期点検(今後) センシング/検査技術型

膨大な整備量を有する防護柵の評価を行うことから、画像解析技術を用いた一次評価手法

出典陸圏事業本部 道路部 山岸 洋明, i-Net Vol.33 JANUARY 2013, 道路の予防保全的維持管理の実現に向けた取り組み

調査に伴う交通規制等を行わずに、一般車両と同様に走行することで損傷程度の評価に対して必要十分な精度の資料を入手する手法を採用しています。

 事業年数・予算・管理水準等を勘案して最適な維持更新計画を立案します。 

道路の定期点検(今後) 住民参加型

 その中心となるシステムが「みまもりサポートシステム」と「インフラeラーニングシステム」である

 「みまもりサポートシステム」では、点検をサポートする市民ボランティアが発見した橋梁の損傷状況・画像を道路管理者に携帯電話などを通じて連絡することができる。また、通報者は、道路管理者の対応状況も確認することができる。

岐阜県は、岐阜大学社会資本アセットマネジメント技術研究センターとともに「社会基盤メンテナンスエキスパート(ME)」の養成に取り組んでいる。

出典道路の予防保全における「人とICTの関係」|建通新聞社

奥田 岐阜県の場合、(中略)09年度からは、地域住民にボランティアとして道路施設の簡易点検と異常を発見した際には県へ通報してもらう社会基盤メンテナンスサポーター(MS)制度も運用していて、現在約680人のMSに活躍していただいている。

 ちばレポ:ちば市民協働レポート | ちばレポとは

どの年度においても12 月~2 月の冬季間にポットホールが多く発生している傾向が見られる。

 

出典中日本高速道路(株) 高速道路における計画保全(予防保全)の取り組み事例

「橋梁」でのポットホール発生密度は、他の「土工部」と比較して約4.6 倍も高い発生密度であることが特徴的

出典中日本高速道路(株) 高速道路における計画保全(予防保全)の取り組み事例

 これら計画保全的な補修を実施するために、主にポットホールとクラックの計画保全補修に対する、調査・補修・施工マニュアルを策定した

 出典 中日本高速道路(株) 高速道路における計画保全(予防保全)の取り組み事例

高速道路の定期点検(今後) センシング/検査技術型

 赤外線カメラによるポットホール内部損傷の確認(中略)、小型FWD による舗装の浮き・ひび割れ箇所のたわみ量の調査 

出典中日本高速道路(株) 高速道路における計画保全(予防保全)の取り組み事例

 

高速道路の舗装管理システム(現状)

 舗装資産・舗装履歴データ・舗装調査データの管理や、舗装修繕工事の意思決定のためのサポート機能を有している。

出典 中日本高速道路(株) 高速道路における計画保全(予防保全)の取り組み事例

入力:道路情報、補修履歴、路面性状
出力:<現在>現況状況の把握 <過去>補修履歴の評価 <未来>経年変化の予測
 

全国橋梁データベース(現状)

橋梁の場合、全国橋梁データベースができている。定期点検要領に基づく点検結果を▽橋梁諸元▽点検履歴▽補修・補強履歴別に入力する。(中略)全国の類似した橋梁の補修履歴も搭載されている。(中略)国交省としては今後、トンネルや法面、道路付属物など道路構造物を段階的にデータベース化していく考えだ。

 出典 道路の予防保全における「人とICTの関係」|建通新聞社

道路/道路施設の点検要領等(現状)

道路橋(橋梁)の定期点検(現状)

 直轄国道では、供用後2年以内に初回点検を実施し、2回目以降は5年に1回の頻度で定期的に点検を実施。

近接目視を主に、必要に応じて簡易な点検機械・器具を用いることを基本とする。

地方公共団体の橋梁点検要領では、遠望目視による点検も多く(約8割)、点検の質にも課題がある。 

 出典 国土交通省 

点検調書・橋梁管理カルテを作成し蓄積する。

橋梁長寿命化修繕計画

これまで、材料や構造部材の劣化予測に関しては、多く劣化予測手法が提案されていますが、個々の環境の要因の影響が強く、時間や車両通行回数の関数として表されるため、予測精度の検証に多大の時間を要することから、未だ汎用的で精度の良い手法は見当たらないのが現状です。

現在、劣化予測手法として良く用いられる手法として、以下の3手法が挙げられます。(中略)こでは、下記に示す優位性により「劣化予測理論式」を採用することとしました。

【事後保全型】のコスト算定における、架替え費用については、『橋梁の架替に関する調査結果(III)、土木研究資料 H9』を基に、鋼橋60万円/㎡ (撤去費込) 、コンクリート橋50万円/㎡(撤去費込)として設定します。 

 千葉県の橋梁の維持管理では、橋梁点検、損傷に対する修繕等と併せて、橋梁における損傷の進行の予防を目的として、表-6.1に示す軽作業等の日常的維持管理の実施に努めるとともに、技術研鑽を重ね職員の技術力の向上を図っていきます。

 

軽微な塗装劣化 => 鋼部材(主桁端部)の水洗い
排水桝の土砂詰まり => 排水桝の清掃(土砂・滞水の除去)
橋座部の土砂詰まり => 橋座部の清掃(土砂・滞水の除去)

橋梁の定期点検(今後) 国による代行

橋梁等の点検・診断等に関して、社会的に影響の大きな路線や構造が複雑な施設等について、国の職員等から構成される『道路メンテナンス技術集団』を派遣し、『直轄診断』を実施、支援結果等を記録

出典:  国土交通省