そういう、モデルなんです。

ビジネスモデル、3Dモデル、設計図、模型などの現状と動向を考察、関連書籍の紹介

タブレット等のICT(IT)を活用した設備点検・施設点検アプリやツール

民間の製造工場・装置プラントなど生産拠点、国または地方公共団体が設置・管理する公共施設(ダム、公園等)、ガス・電力・鉄道など準公共・社会インフラ、ビル・マンションなど共用の機械・電気・水道設備等がある建築物や大型構造物においては、設置後の保守保全・運用維持(部品交換、補修)・安全確保のために定期的に巡回点検・検査・現地調査等を行う義務や必要がある。 

道路、河川その他の公の営造物の設置又は管理に瑕疵があつたために他人に損害を生じたときは、国又は公共団体は、これを賠償する責に任ずる。

出典 国家賠償法 

とはいえ賠償も出所は税金であり、大半の実務は民間に委託されているので、自治体や公務員が自ら責任を取ったり業務の方法を工夫したりすることはほとんどない。それらは民間に期待される。

製造業者等は、その製造、加工、輸入又は(中略)製造物であって、その引き渡したものの欠陥により他人の生命、身体又は財産を侵害したときは、これによって生じた損害を賠償する責めに任ずる。

 

事業者は、労働者を就業させる建設物その他の作業場について、通路、床面、階段等の保全並びに換気、採光、照明、保温、防湿、休養、避難及び清潔に必要な措置その他労働者の健康、風紀及び生命の保持のため必要な措置を講じなければならない。

故障や事故による事業や企業イメージへの直接影響が大きい製造業・社会インフラ企業では、自己の設備管理(資産管理)・設備台帳(資産台帳)・点検業務を支援するために、EAMパッケージや専用システムを構築して計画的な予防保守・保全に取り組んでいる。

しかし言っちゃ悪いが所詮は他社(他人)の資産や設備の管理・点検を善意の管理者として請け負っているだけの企業や、何かあってもインパクトは小さい中小企業などでは、高価なEAMパッケージや専用システムを構築したりせず、手作業や場当たり的な事後対応となっていることも多い。

ICTの利活用

近年においては、タブレットスマートフォンスマホ)・スマートグラス(ヘッドマウントディスプレイ、ウエアラブル)などモバイルデバイスの機能・性能が格段に向上し、価格も低下し、ネットワーク接続も容易になっため、これらを活用したモバイル点検が普通になっている。

◆あって当然な機能 ・・・ スマートデバイス、モバイル、クラウド

タブレットスマートフォンで点検項目を入力し、写真を撮影して添付する。
・現場で判断できるよう、技術文書(マニュアル)や過去の点検記録などを参照できる。
・管理者から現場担当者へ作業指示をする。現場から作業報告を上げる。
・点検記録(データ、画像)を振り返り・カイゼン・技術伝承などに活用する。

◆あると便利な機能 ・・・ IoT(センサー、タグ)、位置情報サービス(LBS)

・バーコード、RFID、NFCなどで点検対象物を同定する。
 発想はPOSと同じ。対象物に一意な符号(マーカー)を物理的につけておくことで、取り違えはなくなる。ただし屋外やシビアな環境では、すぐに汚れたり、濡れたり、熱で曲がったり、剥がれたり、そもそも貼る場所もなかったりする点でスーパーマーケットと大いに事情が異なる。
 そもそも最低限の設備台帳・設備配置図や目で見て分かる識別方法は既に現場に備えつけてあるのが普通なので、同一種類・形状の設備や装置の数がやたら多いとか、軽量の装置・型・治具などで移設・移動がやたら多いとか、点検員がアルバイト同然で入れ替わりも激しく対象物の同定すらも怪しいとか、よほど取り違えやすい事情でもない限りは、新たにこの運用は必要ではない。

・ビーコン(屋内位置情報)、GPS(屋外位置情報)などの位置情報サービス(LBS)で点検をしている拠点・区域などの凡その場所を特定する。
 あくまで凡その場所を特定するところまで。機器・装置の特定には使えない。地理情報システム(GIS)やジオフェンシングと組み合わせれば住所や家屋・棟の特定くらいはできるが、フロア(高さ)の特定は難しい。また屋内位置情報は今のところ高価である。

・現場担当者に遠隔支援をする。
 機能的には電話・無線・オンライン通話アプリ・オンライン会議サービスで簡単に代用できるが、ワンタッチでシームレスに使えるなら便利ではある。 

・写真、図面、書類に手書き入力やコメントをする。
 機能的には画像編集ソフト、OAツール、申し送りや摘要記入で簡単に代用できるが、ワンタッチでシームレスに使えるなら便利ではある。

・設備台帳や機器から上がるデータを参照したり更新する。
 設備台帳が放置状態だったり、二重入力の運用になっていると保守保全の判断材料として使えない。なお機器データの収集(IoT)は今のところ高価である。

・電波が届かない/届きにくい環境では、オフラインでも使用できる。

・地図(GIS)が使える
 外回りの巡回点検ではほとんど必須であり、効率的な巡回経路も計画できるとなおよい。
 そのようなアプリは一般に地理情報システム(GIS)と呼ばれ、似たようなものが多数存在する(本まとめでは扱わない)。
 製造工場・プラントなど構内の場合は、そもそも地図(GIS)は無力なので必要ない。

◆最近の流行り

・センサー、ドローン、ロボット、スマートグラス、AI、ダッシュボードなどを組み合わせてみる
・IoT基盤プラットフォームで何もかも繋がるとか言ってみる。

机上ではそのとおりだが、実際にインテグレーションすることが簡単でないことは、これまでの基幹システム、計装システムとさほど変わらないので、プラットフォーマー(基盤屋さん)を信じてはいけない。

「Spinning Shoulder」は、タブレットの持ち運びに加えて、ケースから取り出さずに操作可能なタブレットケースです。

タプレットケースあり