そういう、モデルなんです。

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Blender 3.2.2 ポーズアセット Pose Assets によるポーズの使いまわし

Blender 3.x でアセットブラウザという仕組みが提供され、中身は空っぽだが再利用はしやすくなったので、人物モデルのポーズを再利用できるようにする。

Blender 3.x provides a mechanism called asset browser, which is empty but easy to reuse, so that you can reuse poses of human models.

Animation : Pose Libary アドオンを有効にする

標準で提供されているアドオンなのでダウンロードは必要ない。

  • [編集]-[プリファレンス]-[アドオン]タブより Pose で検索

チェックボックスをオンにする。

再利用したいリグを駆使して適当にポーズを作成する

世の中にはリグ(ボーン、アーマチュア)の種類それ自体も死ぬほど沢山あり、ポーズというものはリグを動かした状態のスナップショット(アニメーション)なので、再利用するといっても残念ながら、リグに依存した再利用資産となってしまう。

つまり人体モデルの場合には、元の人体モデルの設計に依存することになる。

すみません電車が遅れて…

これから MakeHuman を研究する予定だが、今のところ The Sims 4、VRM のリグに慣れているので、今回は The Sims 4 のポーズパック試作用に準備中のリグを使用する。

ポーズモードにして全てのリグ(ボーン)を選択

ポーズモードにしている間に限り、レイアウト Layout ワークスペースの画面右端の方に、アニメーションというタブが出現している。

アーマチュア(リグ、ボーン)のオブジェクトを選択した状態で [選択]-[すべて] してリグを青い点々でハイライトさせる。ここで「ポーズアセットを作成」すると、現在のファイルの中でのみ再利用できるポーズが記録されてサムネイルが表示される。

サムネイルが小さくてほぼ見えない上に、ソリッドモードのままで登録されてしまったが、これは差し替えることができる。しかし面倒な場合には、大写しになるように予めカメラを調整しておけばよい。

アニメーションの1つ上に、ビューのタブがあるので

  • 「カメラをビューに」にチェックを入れ
  • [0] キーでカメラ視点に切り替えてマウスホイール回転で目一杯ズーム
  • [Shift] マウスホイールボタン長押しで中央に来るように位置調整

その後、カメラではない普通の視点に戻し、[選択]-[すべて] してから「ポーズアセットを作成」を押し直す...しかし下半身が入ってしまった。失敗だ。

通常カメラは横長の長方形になっているが、心の目で、縦方向の枠を正方形に置き換えて位置調整をやり直した。今度は成功だ。

失敗した奴を削除したいのだが。

このパネルからは削除できない。そんなときには!

左上のエディタータイプを切り替えるボタンで、アセットブラウザに切り替える。

削除したいサムネイルを選択して右クリック [アセットをクリア]で削除できる。

名前を変更したいのだが。

既定ではアーマチュアの名前がポーズ名になるようだ。

そしてアセットブラウザでは文字化けしており、直せないようなので英語で命名しておいた方がいいような気がする。

  • 探すのに苦労したが右上の方にあるギアアイコンを開くと名前は変更できる。
  • プレビュー画面のフォルダアイコンからプレビュー画像を指定すると、任意の画像に変更できる。

全身ではなく、顔の表情だけで十分なのだが。

そんなときには!

[選択]-[すべて]ではなく関係するボーン(リグ)だけ選択し、カメラも顔のどアップにするとよい。

The Sims 4 では有志が作成したポーズパックが多数提供されているが、顔の表情だけで十分なのに体全体で感情表現しているポーズパックばかりだったので、身体は固定で表情のみ変更が難しくて逆に不便だった。

再利用を考えると、組み合わせで実現すべきだろう。

このファイルだけでなく、他のファイルで再利用したいのだが。

ファイル内であればポーズのコピーと貼り付けという従来手法も使える。

しかし本領を発揮するには、大量にポーズを溜め込んだアセットだらけのファイルをアセットブラウザから参照して再利用することになろう。ポーズに限った話ではないが...

再利用したいアセットの置き場所は、[編集]-[プリファレンス]-[ファイルパス] のアセットライブラリ欄で指定しておく必要がある。

別段ポーズライブラリに限った話ではないが、再利用したい資産を含む Blender ファイルをここで指定したフォルダ配下に入れておくことで、部品として呼び出すことができるようになる。

初期ポーズの前提が異なると想定外のポーズになる

The Sims 4 の初期ポーズは Aポーズなのだが、VRM形式に変換する実験のさいに Tポーズに改造していた。そうすると Tポーズからの相対位置になってしまい、手の位置がだいぶ上になった。

初期ポーズの前提などは考慮されないものであるらしい。

以前作成した AポーズからTポーズへの変換スクリプト

GitHub - tombi-aburage/Sims4VRMAvatar

の回転角度の符号を入れ替えAポーズに戻してから適用したら、正しくなった。

今回は The Sims 4 のリグを適用したが、他の場合もおそらく同じだろう。

取りうるポーズの状態が画面に常に表示されているので、違うポーズを選んでキーフレームを打ち、アニメーションを作るのが直観的で分かりやすくなった。少なくとも、歩くなど足が動かないものはポーズを貯めておけば一瞬で作れる。

後はリグの種類に関係なく標準化されたポーズ仕様だとか、どんなリグ同士の間でもポーズは相互に変換できるゲートウェイみたいなものがあればいいのだが...

In this case I applied The Sims 4 rig, but it would probably be the same in other cases.

Since the possible poses are always displayed on the screen, it's intuitive and straightforward to select different poses, hit keyframes, and create animations. At least for things like walking, where the legs don't move, you can save poses and create them in an instant.

Now if only there was a standardized pose specification for all rigs, or some kind of gateway that would allow poses to be converted between any rigs...