そういう、モデルなんです。

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衣服の画像を3Dアバターに転写

画像生成AIで柄だけ量産して、モデルに転写する。

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画像生成AIで衣服の画像を適当数、生成する

1時間で80枚くらい作れるので、材料には事欠かない。

tombi-aburage.hatenablog.jp

利用しているDCC向けの素体を入手する

Character Creator 4 の場合、Maya と 3DS Max 向けに FDX, OBJ 形式の素体テンプレートを公開している。

www.reallusion.com

Blender 4 でも、それらを利用する。

Blender : Maya 向けFBX形式テンプレをインポート

衣服に転写したい参照画像を追加

参照画像は、画像生成AIの出力フォルダから Blender のプロジェクトファイルのある別のフォルダへ予め複写しておいたほうがよいだろう。

ビューポート表示 - 最前面 などで表示位置は調整できる

衣服の参照画像に、モデルのポーズを合わせる

Character Creator 4 のテンプレートでは、上半身体操のモーション(アニメーション)データも含まれていたので、3Dビューポート最下部にあるアニメーションを再生して、いちばんフィットしているキーフレームを選択した。

フィットしているキーフレーム(73コマめ)を選択

テクスチャペイントモードに切り替え、モデルに転写するためのブラシを作成

身体のメッシュのうち、正面側だけを選択して、テクスチャペイントモードに切り替える。

Blender では、

  • 現在どのオブジェクトを選択して、どのモードになっているのかによって、やれることや表示されるプロパティが全く異なるので、混乱してしまった場合、まず選択を外し、アウトライナーで対象物を選び直すようにすること
  • アクティブツールのパネルは、画面の右上、ギズモの右上にある、すごく小さな < を押すと表示される
  • メニューバー上でマウスホイルを回転させると、メニューそれ自体が左右にスクロールして表示される場合がある。
    メニューアイテムが無いぞ?と思った場合によくやる操作。
  • 透過表示など表示や選択のモードにもクセがあるので慣れておくこと
    • ソリッドやワイヤーフレームでは、マテリアルは表示されない
    • 透過で選択すると反対側も選択される
    • 別のモードに切り替えても、選択範囲は維持されることが多い
  • ショートカットのうち、軸を固定した移動 [g][x]や[g][y]、拡大縮小 [s][x]や[s][y]だけは慣れておくこと
  • 転写のさいには、左クリックが塗りになってしまうので、右クリックでSHIFT押しながらブラシを操作したりなど Shift や Ctrl との併用も多い。

モデルに転写するためのブラシに、同じ参照画像を指定

普通のテクスチャは、上下左右に連続した模様(タイル)を繰り返し適用するのだが、今回は単純に参照画像を範囲内に正射影するだけなので「マスク」に変更する。

マッピングは「タイル化」ではなく「マスク」とする

もしマッピングが「タイル化」だと、ブラシでなぞったところに、この衣服の画像が繰り返し塗られることになる。

マッピングが「タイル化」のままだとこうなる

これはこれで、ボタンやファスナーなど類似物の増殖には使えるので、元の参照画像と使い方次第だといえる。

とても格好よく出来上がった(正面だけは)

後ろや下半身はお見せするわけには参りません。

なお、さきほどの転写によって、正射影でぶつかったUVに対応するテクスチャは上書きされたので、Blender 終了時に保存するかどうかを尋ねるダイアログが出るはず。

塗った部分のテクスチャは上書きされた(正面だけは)

身体と腕のテクスチャ(Diffuse マップ)が更新された。

身体については以下のとおり、参照画像と同じ範囲に相当する部分だけが塗られている。腕のテクスチャは省略するが、適当に塗ったので肩口のあたりが塗られていた。

塗った部分のテクスチャ(身体の半分位と腕の一部)

画像生成AIで画像生成した時間は1時間位、その後の作業は30分くらいなので、かなり手抜きすることができる。

参照画像を引き延ばし、もっと下まで塗り、背中側も塗る

画像生成AIで参照画像を補正してから、塗り直す。

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同じ手順で腹と背中側も塗れた。ベルトの位置を合わせ損ねたが、位置を調整して重ね塗りすれば直せる。

さきほどまでの塗りでは、正面のメッシュを塗っていたが、今度は背中側なので、編集モードで、参照画像の範囲内にあるメッシュだけを選択し直してから、テクスチャペイントモードに切り替えて塗る必要があった。

Blender のモードって、表示されていない時も選択範囲が生きていることが多いので、分かりにくいかもしれない。

この作例では、素体のテクスチャに上書きで塗っているので、衣服にするときには衣服と無関係な素体メッシュを削除する必要はありそう。

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ほとんど同様の手法で、部屋内の3Dモデルに適当な室内画像を転写できる

室内の様子を画像生成AIに出力させて、直方体の内壁に転写することで、よく見るとおかしいが、それっぽい感じの部屋を簡単に制作できる。

建築物の場合、パースを合わせないと、転写が不自然になるので、Blender の場合には写真のパースからカメラの位置を逆推定する fSpy というツールを利用する。

また、いろいろ事前設定済みの素体テンプレートを使う場合とは異なり、少々、メッシュ側の準備と注意も必要になる:

  • 基本だが、部屋オブジェクトの内壁部分にテクスチャを転写する前に、マテリアルに空のテクスチャを割り当てること
  • 基本だが、シェーダーが画像テクスチャを出力するようにすること

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