船をどのような形状に設計するかは、ある意味自由ではあるので、船型・船形は世の中でよく使われている、その時代でよくみられる形を記号化したものだといえる。
船舶・艦艇の用途によって、船体・艤装・機関・設備は大きく異なるが、商船にありがちな船型・船形、軍用艦艇にありがちな船型・船形といった傾向はある。
船舶そのものを扱う運航管理・地理情報システムなどでは、狭い画面で多くの情報を伝えるために、船をアイコンやシルエットで画面表示するので、利用者の視点からは、実物をイメージできる2Dや3Dで記号化することが目的になるだろう。
設計者は…船舶CADで好きに設計すればいいかと(分類不能)。
プラットフォーム構造化・モジュール化・パターン化など設計標準化を行い、ほぼ自動設計するようにしていれば、船型・船形はほとんど同じようになるはずだが、なかなかね。
現代(内燃機関)
横から見た外形
用途や時代により、甲板・楼の組み合わせかたに特徴がある
平甲板船
- 楼がなく、平甲板/導通甲板となっている
船首楼付平甲板船
- 平甲板だが船首の方に楼が飛び出ている
船尾楼付平甲板船
- 平甲板だが船尾の方に楼が飛び出ている
凹型甲板船
- 船首楼+船尾楼の組み合わせだが、見た目から、このように呼ぶこともある
三島甲板船
全通楼
- 船首から船尾までの全体が楼となっている
- 見た目は平甲板と特別が付きにくいが、アイコンとしては喫水線上の高さを楼の分だけ高めにしておいたり、開放窓をつけたりすれば意図は伝わる
船橋・艦橋
- これは形状というよりは指揮機能を意味する
- 楼がある場合はそのどれかに配置される
上から見た外形
- 基本的には高速で移動できる流線形だが、低速で自航・曳航する浮体海上設備などはそうとも限らない
- 同じ流線形でも、前方・後方の膨らませ方が違うことはあるが、アイコンにする場合にはその区別が何を意味するかは伝えにくい
- 上からだと艤装が見えてしまうので、横から見た場合よりもバリエーションは増えてしまうだろう
前後から見た外形
- 横で識別しにくい用途の場合にはありかも
- 単胴船(モノハル)、双胴船(カタマラン)、三胴船(トリマラン)など
近代(蒸気機関)
- 蒸気機関
- 典型的には外輪船であり、外輪アイコン必須
中世(帆船・風力)
- 風力で推進
- 真向いからの風でも進めるよう、複数の帆を併用するので帆アイコン必須
- ガレアスなど人力と併用するパターンでは、櫂アイコン必須
古代(人力)
- 人が櫂(かい)で漕いで進む
- 速度や機動性を高めるには、たくさん人と櫂を設置するので櫂または人のアイコン必須
未来(クリーンエネルギー)
- 水素やメタノール、太陽光など