そういう、モデルなんです。

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3D人物モデルの標準設計書(案)

いくつかのコンテンツ制作ツールで3D人物モデルを試作したが、仕様検討するさいには、ある程度は共通のリファレンスモデルを用意した方がよさそうだ。

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3D人物モデルの標準設計書(案)

現時点では、3Dモデル制作者がツールや仕様の特性を把握したうえで、制作上の問題点を何とかして、ねじ伏せなければならない。

髪・衣服については、おしゃれは追及せずツール標準のもので我慢するのか、おしゃれを追及するために手配(購入)または制作するのか判断しなければならない。

そのためには、何をどこまで制作・手配するか、設計仕様を考える必要がある。
それを考えるためには、ある程度、設計ポイントを明確にした2Dの図面が必要である(3Dネイティブではない昭和の民の発想)。

ダミー人形をベースとした白無地シート(記入用)

作成済みモデルを記録した結果イメージ

下絵をシムズ The Sims 4 の素体に差し替えたイメージ。

  • シムズの3Dモデルは、シムズの外で自由には使えない
  • シムズそれ自体も、いまだにマルチプレイに対応しておらず、ソロプレイのみ

なので、今のところポーズを撮影して遊ぶ以外の使い道はない。

次のバージョンは、マルチプレイになるものと信じたい。

3D人物モデル制作上の問題点

ツールによって異なるオブジェクトモデル

現在のところ、3D人物モデルのインポート/エクスポートのファイル形式は FBX 経由が多いが、オブジェクトモデルはツールによってまちまちであり、名称を読み替えたり、配置を調整しなければならない場合が多い。

この1年間の試行錯誤で感じた不便な点は以下のとおり:

  • メッシュ
    • リアルタイム(ゲームエンジン)系は三角ポリゴン、それ以外は四角といった傾向はあるが、自分自身が人間である以上、形状自体は直感的に理解できるので、あまり問題はない。
    • 素体(裸体)の制作については、体格の調整(モーフ)を行わずツール標準の素体を使うのであれば、ほとんど手番を要しない
    • 体格の調整(モーフ)を行う場合には、モーフのテンプレートが標準実装されているツールを使うか、モーフのアドオンを探して適用する必要がある
  • スケルトンリグ(ボーン、アーマチュア、リグ)
    • まずもってツールによって呼び名が異なる
    • FKは標準実装だが、IKはそうでもなくツールにより差がある
    • ポーズを操作するためのリグは、自由に作れるが故に無限にある
    • スケルトンはさらに顔面部分 Facial Bone、それ以外の身体に分けられ、身体の方は構造は割と似通っているが、顔面の方はバラバラである
    • 軽量のモデルでは補助ボーン等を欠く場合があり、キャンディラップ現象が避けられない
  • コライダー
    • 3Dモデルの再生環境が物理シミュレーションに対応していない場合には機能しない
    • ツール間でモデルを受け渡すさいに、うまく移行されない場合が散見される
  • テクスチャ
    • 結局のところUVマッピングでモデルと対応づけられはするが、ツールによって標準的な配置がまちまちなので、下絵のラスター画像をコピペして使い回すのは難しい
    • おしゃれの世界なので、バリエーションが無限である
    • 板ポリ、バナナ髪、ストランドなど様々なモデルとなっており、高品質なものを制作したり流用するのは難しい
  • 衣服
    • おしゃれの世界であり、毛髪という意味では一応制約がある髪と違って、まったく装飾の度合いに制約がなく、重ね着もできるので、バリエーションが無限である
    • ひらひら系の衣服を作っても、3Dモデルの再生環境が衣服の物理シミュレーションに対応していない場合には、おしゃれ演出はできない
    • よしんば衣服のモデルを正しく制作したとしても、人物モデルのスキンウェイトを正しく転送しなければ、着こなしが不自然に見えたり、アニメーションさせた時に衣服の上に肉体がはみ出す事故が避け難い
    • 衣服だけ着替えることが難しい。モデルの軽量化やはみ出し防止のために、どのみち見えもしない下着は着せないなど現実世界と乖離した対応がある
  • 表情/感情
    • 顔面ボーンの操作で表情(ポーズ)を制作した後に、頂点アニメーション(モーフ)の結果として保存し、場合によってはそれらを組み合わせるという実装だが、一般人が簡単に理解できる構造ではない
    • 喜怒哀楽・驚きあたりまでは、ブレンドシェイプキーの名称は標準で定義されているようだが、モーフのテンプレートの有無はツールによりけり
    • 将来的には、自分自身の表情をスマホ等のカメラでキャプチャして簡単に表情のバリエーションを作れるようになるかと思うが、今時点では手動で調整せざるを得ない
  • リップシンク
    • 欧米のツールは、欧米の発音で発音の名称が定義されているので、母音・子音を見て頭の中で日本語に置き換える必要がある
    • モーフのテンプレートの有無はツールによりけり
    • 舌の位置の調整などは結構面倒くさい
    • 3Dモデルの再生環境がリップシンクに対応していない場合には機能しない
    • 3Dモデルの再生環境が雑音を拾う場合には、しゃべってないのに口がパクパク動くので不自然に見える

いまのところハイエンドは商用ツールベンダが独自仕様を追及しており、ローエンドはVRMが共通仕様を提供している。一般人は独自仕様に賭けても何もいいことはないので、VRMが次第に高度化されていくほうに賭けたほうが良いだろう。

今後の検討項目

コライダー、テクスチャ

コライダーはモデルあたり数個、素体(裸体)のテクスチャアトラスは1個で済むことが多いため、標準化されていなくても、それほど困らない。

また、ツールごとの差異の詳細に把握できていないので、必要なら別途検討とする。

どういう髪型があるのか程度の分類と図化はしてみた。しかしキリがないので、これで打ち止めとする。設計書として統合はするかもしれない。

tombi-aburage.hatenablog.jp

制作については、操作に慣れれば、作れないこともなさそうだ。
2~3日練習したら、落ち武者レベルの髪は制作できた。

tombi-aburage.hatenablog.jp

もっともこの作り方で、ソフトシミュレーションするかどうかは不明だが...

また試していないが、割と安価な髪制作ツールのようなものもあるらしい。

衣服

典型的な分類は標準設計書に記載してみたが、髪以上にキリがないので検討しないこととする。そのうち AI か何かで衣服を簡単に自動生成できるようになるに違いないし。いいのがあったら教えてください。

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アパレルメーカーが競って衣服やら靴やらのモデルを販売するようになるかもしれない。そうなればモデルの価格は、NFTつけて高値販売しようとするトップブランド系と、コモディティとして 100円台で叩き売りするインディ系に分かれて、価格は現在の数千円台から0~100円台に暴落するだろう。

表情/感情

どうやら標準的な眉・目・口・舌の位置のようなものはあるようなので、別途、仕様書に反映することにする。

その表情を作るための表情ボーンの位置・回転角などの調整方法については、おそらくツールごとに検討せねばならないので別途研究する。

ツール標準のテンプレで対応できる場合

表情モーフがGUIでのテンプレ選択で出来る商用ツールを利用(金で解決)

tombi-aburage.hatenablog.jp

ツール標準のテンプレで対応できない場合

表情モーフ制作のための顔面ボーンの操作を毎回手作業で行わないで済ますため、位置・回転調整をするスクリプトを自作する(根性で解決)

tombi-aburage.hatenablog.jp

リップシンク

あいうえおなどの母音は世界共通のようだが、子音は言語によりけりである。
しかし、ある程度のモデルはあるようだ。
ローテクだが、動画を自撮りしながら50音表を読み上げ、1個ずつ表情モーフを制作して、保存して再利用すればよさそうだ。