マニュアルは48ページだが、設定資料集は212ページという、きわめてアート重視なゲーム。グラフィックは美しくUXは良好。
どういう設定の宇宙征服モノか?
プレイヤーは12の勢力 faction いずれかのリーダーとなって宇宙に進出し、他の勢力を圧倒する。エンドレスという先進文明がどこかへ去った後、これらの新興勢力が現れたという設定なので、時々エンドレスの遺跡などが発見される。
勢力 faction
- 政府軍(UNITED EMPIRE)
- 脱奔した科学者や探検家(PILGRAM)
- 自然とともに生きる機械人形(AUTOMATIONS)
- 海とともに生きるアメーバ(AMOEBA)
- 武闘派(HISSHO、必勝)
- 生きている鉱物(HARMONY)
など12種類が用意されており、最大8勢力まで参加する。
- 勢力を選択する画面に表示されている各勢力が好む惑星の種類、外交姿勢、基本戦略 Gameplay、特徴 TRAITSなどの情報がWikiaに一覧化されている。
- 端的にどういう勢力なのかは、基本戦略 Gameplay に一言で表現されている。
endlessspace.wikia.com
敵勢力 Empires、COMPETITORS は最大8つまで選択できるが、無作為に勢力を選ぶ RANDOM FACTION と、しばしば同じ種類の勢力が含まれてしまう意外な仕様となっている。
steamcommunity.com
では、Disharmonyとは?
最新の拡張が Disharmony であり、最初のリリースを Classic と呼んでいる。
のべ4つほど勢力が増え、Harmonyという大変扱いづらい勢力が最後に追加されたり、イベントが増えたり、惑星攻略の手段が増えたりなど、いくつかのゲームシステム変更が適用されている。
Endless Space 2 (ES2) 発売
ゲームシステムとしては、あまり変わってはいないようだが、評判が良い Endless Legend の経験は反映されているらしい。
勝利条件は?
敵を覆滅、征服勝利(75%支配)など、4Xではありかちな勝利条件が用意されている。
第一印象
見た目
- 艦船、人物、惑星全てのグラフィックに手抜きがない。
管理単位は、星系 System、惑星 Planet の2段階。星図では星系の位置関係が2Dで表現されている。
操作は普通で、ホイール回せばズームイン/アウトするなど標準的。
- 植民地の星系は影響力 influence を持ち、二重の円で強調されている。
星系の画面は別にあるが、適切なレベルでそのサマリーが星図画面でもわかるところが親切。
- 星系に含まれる惑星の数と、殖民適性は青丸(殖民済)、白丸(殖民可)、赤丸(殖民不可)で示されておりクリックしなくても一目瞭然。
- 特殊な資源は惑星の丸の上にアイコンで表示されており、アイコンに慣れれば一目瞭然。
星系 Star System
星系 Star System には恒星の他に惑星 Planet が含まれている。一部の惑星には衛星 Moon もあり(左端の惑星)、そこを調査するとエンドレスの遺産か何かが見つかるかもしれない。
殖民以外のほとんどの管理は、星系の単位で行われる。
惑星 Planets
惑星の種類に応じて食料 FOOD、工業 INDUSTRY、科学 SCIENCE、資金 DUST のパターンが決まる。
人口に概ね比例して、産出量が決まる。
惑星には4種類の資源があるが、1種類の資源に絞って産出量を上げていく。
十分にスペースをとった美麗なデザインで、惑星はちゃんと自転しているし、衛星も公転しているという凝りよう。またプレイヤーが何か選択すべき部分のアイコンは点滅しており、分かりやすい。
衛星 moon には殖民できないが、衛星探査を可能にする技術を開発後に探査を行うと、ごくまれにエンドレスの神社仏閣 temple が発見される。
操作性
- メリハリが聞いたアイコン表示であり、プレイヤーが操作する部分が分かりやすい。
- 右クリックメニューは一つもない。操作対象は画面上のアイコンが全て。
まったく同じことがマニュアルに書いてあるので、それを読めばよい。
いちおう可能だが、まったく快適とはいえない。
- 字とアイコンが小さいので、PCで覚えてからでないと厳しい。
- 対象をクリックで選択してから再度クリックして次の画面を開く操作であり、画面スクロールも左クリックしてドラッグ操作なので、指ではなくペンを使わないと、やや操作がしにくかった。
- PCでは落ちないがタブレットでは時々落ちる。性能的に厳しそう。
戦略はターン制、艦隊戦闘は長・中・短距離の3フェーズだがほぼ自動解決
殖民、建設、生産など戦略はターン制だが、戦闘が発生した場合には長距離・中距離・短距離の3フェーズで戦闘を行う。フェーズごとにお互い戦術を選ぶ。いわゆるジャンケン。
自動解決ではあらかじめ距離ごとの戦術を全て事前に選択するかわりに戦闘シーンのムービー上映をスキップできる。手動にしてもプレイヤーは戦術を選ぶ、ムービーの視点を変更する、攻撃目標を変えるということ以上のことはできないので、実質的に自動解決といってよい。
- 戦闘にはそれほど凝っておらず、長距離はミサイル missiles(対抗は対空砲 flak)、中距離はレーザー lasers(対抗はシールド shieids)、短距離は質量弾 kinetics(対抗はデフレクター deflectors)が有利という、きわめて型にはまったものとなっている。
- ヒーローが指揮している艦隊は、戦力への修正だけでなく選べる戦術にも差があるので、圧倒的に有利になる。
- 戦闘は星系以外の場所、例えば星間航路や深宇宙では決して発生しない。
惑星攻略は包囲カウントダウンまたは陸軍侵攻
防御を上回る攻城装備を備えた艦隊で少なくとも8ターン以上、星系を封鎖・包囲してカウントダウンで陥落させる(確率変動なし)か、十分な陸軍を投入して一気に1ターンで陥落させる(兵力に応じて確率は変動)かのいずれかで星系を攻略できる。
いずれにしても手間はかかるので、いかに早く最前線近くに殖民して道を塞ぐかが重要なのは、いうまでもない。
オリジナル艦の設計
武器&防御モジュール、支援モジュール、特殊モジュールを差し替えていく。
船体の容量上限に達するまで、それぞれの個数を+、-で調整することで設計できる。
設計テストの画面はないので、仕上がりはよく分らない。
ヒーローを艦隊の指揮官か星系の管理者に割り当てる
・最初は候補3名、ただし金欠のため雇えるのは数ターン後。
・5つある分野のうち、2つの得意分野が割り当てられている。
・気に入らない場合は追放できるが、替わりはすぐにはでてこない。また人数増えるほど初期費が増える。
それにしても左端の奴はともかく、右の二人はどこから見つけてきたのか...どうみても人類じゃないだろ。右端の奴なんてアメーバじゃねえか。しかもアメーバどうしでも区別つかねえんだよ!
...しかしヒーローに忠誠度といった観念はなく、ひたすら忠勤に励むようなので、遠慮なく雇ってかまわない。
ヒーローは得意分野の組み合わせでしかない
ヒーローごとにフレーバーテキストは違っているが、ゲーム的には、5つある分野のうち、2つの得意分野が何であるかによってしか決まらない。つまり10通りしかない。
割り当てられている得意分野については、戦闘系のものと内政系のものがある。しかし、ヒーローは艦隊か星系のどちらか一方にしか任命できないので、2つの得意分野が中途半端な組み合わせになってしまっている場合、何だかとても損した気がする。
中途半端でない組み合わせは、実は2通りしかない(内政系でベストな組み合わせ1つ、戦闘系でベストな組み合わせ1つ)ので、このゲームにおけるヒーローは、あまり存在感がない残念な感じになってしまっている。
ベストでない組み合わせを引いた場合、人によっては即刻追放して、50ターン後にもっと良い組み合わせのヒーローを引くのを狙うようだが、探索時のイベントで候補者入れ替えというのが時々発生するし、どんな組み合わせでも共通の能力がかなりあるので、そこまでする必要はなく、とにかく雇ってどんどんレベルをあげるほうが妥当。
二人目の奴 Kyuind Neuil の詳細
- ゲーム上の効果は、5つの属性 ATTRIBUTES で数値表現されている。
- レベルが上がると、能力を追加でき、その結果、多くの場合はたんに属性の数値が向上する。
属性値の向上以外の効果もあり、ヒーローの効果 EFFECTS OF THE HERO に表示されているが、すべて得意分野とその後のスキル獲得で決まるものであり、それらが同字である限り、個人ごとには違いは出ない。
強力な Administrator
能力はこのようなツリーに従ってレベルアップの都度、1つずつ獲得していく。
Administratorは資源、食料のブーストが半端ない。Corporateと両方持っているヒーローは内政では最強。
技術開発
宇宙戦争、応用科学、探索と拡張、外交と貿易の4系列にまとめられているが、たぶん少なくまとめすぎ。技術ツリーの体系が他のSci-Fi ゲームと比較しても、たいへん分かりづらい。
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- まずは、探索と拡張ツリーの中にある殖民可能惑星を増やす技術をいくつか開発する。
- 外交と貿易の中にある惑星の生産力を高める技術や資源利用を可能にする技術をいくつか開発する。
- 宇宙の繋がり Cosmic String 沿いにしばらく探索を続けていくと、ワームホールWormholes を通らないとそれ以上に進めなくなる。このときには Applied Casimir Effect 技術の開発を目指すこと。
他に、勢力固有の技術といったものもあるにはあるが、大したものではない。
交易
技術を開発すると、平和条約を結んでいる他国との間で勝手に交易が成立する。
マイクロマネジメント不要で良い。
また外交では、当然ながら、余った贅沢資源や戦略物資を取引できる。
ときどき海賊が発生する
ESの世界には宇宙怪物や少数民族は生息していないようで、海賊しか発生しない。
海賊は単に戦って倒すしかない。
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